著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

マスク着用に関する「個別」の考えと「一般的」な考え

公開日: 更新日:

 その個人的な判断が、一体どんな判断なのか、少し考えてみたい。

■マスク着用に対する態度は日本的な“何か”と深く関係している

 先に紹介した研究発表会では、発表者が「個人的な疑問なんですが」と言うときの、なんとなく申し訳なさそうな雰囲気が、どの発表者にも共通しているように思われる。これはどういうことだろうか。「個人的な疑問」は「私が勝手に思っているだけで、たいして重要なものではないかもしれませんが」という言い訳がましいところや、あるいは「私のような者が個人的な考えを述べるのは厚かましいですが」という謙遜みたいなことが含意されている、というのがひとつの仮説である。

 ここでの「個人的」には、何か「自分勝手」とか「非常識」とか、そんなことがそもそも含まれている感じがする。

 さらに言えば、社会人として、研究者として、「個人的」であってはならない部分を常に気にしているということかもしれない。そうした気持ちが、本来の個人的な考えを抑制し、結果的に一般的なことしか言えなくなっているということではないか、と思うのである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット