著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

まるでたばこの副流煙…「セカンドハンド・ストレス」の恐怖

公開日: 更新日:

 ストレスというのは、他者へと伝播(でんぱ)する厄介な存在です。職場でイライラしている人がいると、自分もイライラが募りストレスにつながってしまう。こうした他人から受けるストレスのことを、「セカンドハンド・ストレス」と呼びます。

 ペンシルベニア大学のロジンとロイズマンの研究(2001年)では、「自ら抱える不安を、言葉や態度で強く表現している人が視界に入ったとき、自分も同様の感情を覚える可能性が高い。その影響によって脳のパフォーマンスが悪影響を受けてしまう」と指摘しています。まるで副流煙のように、当事者ではない自分にも影響を及ぼしかねないというわけです。

 マックスプランク研究所のエンガートらは、ストレスの感染力に関する実験(14年)を行っています。実に、被験者の26%が、ストレスを感じている人を見ただけで自身のコルチゾール(ストレスホルモン)値が上がったといいます。

 興味深いことに、「セカンドハンド・ストレス」の感染力は、見知らぬ他者よりも恋人などのパートナーからの方が強く受けやすいといい、そのケースでは40%の被験者のコルチゾール値が上昇したそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…