著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

まるでたばこの副流煙…「セカンドハンド・ストレス」の恐怖

公開日: 更新日:

 さらには、他者がストレスにあえいでいる映像を見ただけでも、24%の被験者にストレス反応が生じたといいます。つまり、ニュース番組などから流れてくるショッキングな出来事やネガティブな映像は、極力見ないように心がけた方が、心の負担にならないというわけです。

 もし仮に、あなたが「セカンドハンド・ストレス」に巻き込まれたら、自分の感情を整理することが大切です。たとえば、自分自身の思考や行動を変え、ストレスを軽減する方法を「認知行動療法」と呼びますが、イライラしている人を見てしまったら、「きっとあの人は株で大損してしまったんだろう。気の毒に」と考えてみる。イラついている人を、ただ見続けるとこちらまでイライラしてきてしまいます。そうではなく、勝手にその人のバックグラウンドを想像する--自分の思考を変えることで、イライラの感情は薄れていきます。

 ニュースを見ていると、その大半はポジティブでなくネガティブなものです。ニュースの多くは、殺人や汚職、病気や自然災害といった話です。そのため脳は、現実はネガティブなことばかりだと思い込んでしまいます。ミシガン大学のフレドリクソンとブラニガンの研究(05年)によれば、「ポジティブな脳はネガティブな脳やストレス状況下の脳よりもずっと良く機能する。知能が向上し、創造性が高まり、活力が増大します。実際、あらゆる仕事上の結果が改善されることがわかりました。ポジティブな状態の脳は、ネガティブな状態の脳よりも31%も生産性が高くなる」とうたっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…