まるでたばこの副流煙…「セカンドハンド・ストレス」の恐怖
さらには、他者がストレスにあえいでいる映像を見ただけでも、24%の被験者にストレス反応が生じたといいます。つまり、ニュース番組などから流れてくるショッキングな出来事やネガティブな映像は、極力見ないように心がけた方が、心の負担にならないというわけです。
もし仮に、あなたが「セカンドハンド・ストレス」に巻き込まれたら、自分の感情を整理することが大切です。たとえば、自分自身の思考や行動を変え、ストレスを軽減する方法を「認知行動療法」と呼びますが、イライラしている人を見てしまったら、「きっとあの人は株で大損してしまったんだろう。気の毒に」と考えてみる。イラついている人を、ただ見続けるとこちらまでイライラしてきてしまいます。そうではなく、勝手にその人のバックグラウンドを想像する--自分の思考を変えることで、イライラの感情は薄れていきます。
ニュースを見ていると、その大半はポジティブでなくネガティブなものです。ニュースの多くは、殺人や汚職、病気や自然災害といった話です。そのため脳は、現実はネガティブなことばかりだと思い込んでしまいます。ミシガン大学のフレドリクソンとブラニガンの研究(05年)によれば、「ポジティブな脳はネガティブな脳やストレス状況下の脳よりもずっと良く機能する。知能が向上し、創造性が高まり、活力が増大します。実際、あらゆる仕事上の結果が改善されることがわかりました。ポジティブな状態の脳は、ネガティブな状態の脳よりも31%も生産性が高くなる」とうたっています。