認知症になるとあることないこと「作話」をするのはなぜ?

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 アルツハイマー型認知症を発症すると、「作話」の症状が見られるケースがあります。「息子にお金を盗まれた」「私は日本一の大女優だった」など、作話の内容はさまざまです。この症状は認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)~認知症初期の患者さんに現れ、おしゃべりが好きな女性、プライドが高い性格の人に多い印象があります。

 作話が生じる原因は2つ考えられ、1つは物忘れによる取り繕いです。認知症が進行すると、実際に起きた出来事を記憶するのが難しく、失われた記憶を埋めようと事実とは異なる内容を加えて自分にとって都合のいいストーリーを作り上げます。認知症初期の段階では物忘れが自分の弱点だと感じやすい。この弱点を隠そうとして作話を行うのです。

 もう1つは、思い込みからくる妄想です。アルツハイマー型認知症患者さんの約15%に見られる妄想は、実際に起きていない出来事を真実だと思い込んで、あたかも事実かのように周囲に話します。「息子にお金を盗まれた」といった物盗られ妄想も、作話の一種なのです。「お金を盗んだ」と疑われた家族はいい気分はしません。ですが、本人は作話をしている自覚はなく、また作話の内容も記憶力の低下ですぐ忘れてしまいます。

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