認知症の親の担当ケアマネと相性が悪い…変更できるのか
良いケアマネジャーとは、①「病気に対する知識が豊富」、②「自身の担当施設だけでなく、患者さんの趣味や状況に寄り添った施設を紹介してくれる」、③「家族の話をよく傾聴する」の3つに当てはまる人だと考えます。
担当のケアマネジャーと合わないと感じたら、まずはかかりつけ医に相談してください。大病院であれば院内に地域医療連携室があるので、常駐しているソーシャルワーカーに相談するといいでしょう。地域包括センターや役所の介護福祉課でも担当の変更の相談が可能です。
また、介護施設にはケアマネジャーが常駐しているケースも少なくありません。現在、デイサービスに通所している方であれば、一度ご家族も一緒に訪問し、交流する中で「この人なら安心して任せられそう」と思えば、直接担当を依頼するのも有効です。変更が決まるとケアマネジャー間でやりとりが行われるので、ご家族は面倒な手続きの心配がいりません。
認知症は誰でも発症する可能性がある病気です。可能であれば、「親の物忘れが増え、認知症かもしれない」と思った時点で、認知症の方を介護する家族が集まるオレンジカフェや、交流会に参加してください。そこでおすすめの事業所をいくつか聞いておき、事前に見学に行ったり直接会話をした上で信頼できる事業所があれば、要介護認定を受けた際の担当をお願いするといいでしょう。
▽内野勝行(うちの・かつゆき) 帝京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部付属病院神経内科非常勤医などを経て、金町駅前脳神経内科院長。厚生労働省認定認知症サポート医、緩和ケア認定医。著書に「記憶力アップ×集中力アップ×認知症予防 1日1杯 脳のおそうじスープ」がある。