どれだけ寝てもひどく眠くなる人は…「特発性過眠症」かもしれない
寝ても寝ても目が冴えず、日中にボーッとした状態が続く「特発性過眠症」という病気がある。過剰な眠気から、社会生活が難しくなる人も少なくない。東京都医学総合研究所睡眠プロジェクトの宮川卓氏と本多真氏に聞いた。
過眠症は、睡眠を妨げる病気や睡眠不足がないのに日中に強い眠気が生じる睡眠障害で、主に「ナルコレプシー」「特発性過眠症」「反復性過眠症(クライネ-レビン症候群)」の3つを指す。
特発性過眠症の典型例は、10時間以上睡眠を取っても寝覚めが非常に悪く、日中も強い眠気が続くのが特徴だ。典型例の有病率は10万人に数人とされる。
「突然の眠気で場所を問わずに居眠りしてしまうナルコレプシーと違い、特発性過眠症の人は試験や会議といった重要な場面では目を開けていられます。ただ、日中もボーッとした状態が続いて頭が冴える時間が少ないです。特に朝の起床時や昼寝から目覚めた後は記憶がないままに行動する『睡眠酩酊』が見られたり、立ちくらみや冷え性といった自律神経症状も多く生じます」(本多氏)