著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

“アナフィラキシー”に見舞われたとき役立つ自己注射キット

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 万が一、アナフィラキシーショックを起こした場合、病院で適切な処置(抗ヒスタミン薬やステロイドの投与など)を行えば問題ありません。その後はアレルギー源に再度暴露されないように注意すればよいのですが、これはそんなに簡単ではありません。大丈夫だと思っていた食べ物の中にわずかにアレルギー源が含まれていたなんてこともあるからです。

 そういったときに持っておくといいのが「エピネフリン」の自己注射キットです。エピネフリンは血管を収縮させる作用があるクスリで、血圧低下(ショック)を緩和することができます。他の症状にはあまり効果はありませんが、病院を受診するまでの時間に最悪の事態に陥らないようにするためにはとても重要なクスリです。

 秋はスズメバチの活動が活発になるだけでなく、攻撃性も増します。過去に一度でもハチに刺されたことがある人、建築業や造園業、さらにはよく高齢の方が楽しまれている家庭菜園など、屋外で作業をしなければならない人は注意が必要です。ただ、いくら注意していても、不意に襲われる事態は十分に考えられます。アナフィラキシーショックのリスクがある方は、ご自身の命を守るためにも今回紹介したエピネフリンの自己注射キットを万一に備えて持参しておくことを考えてみてはいかがでしょうか。

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