認知症の親と旅行する際に気を付けるべきポイントは?…準備しておくこと

公開日: 更新日:

 認知症の方と旅行に行く際ははぐれないよう気にかけ、目を離さないようにしましょう。認知機能が低下すると歩行速度が低下しやすい。家族についていくだけで精いっぱいにならないようスケジュールを詰めすぎず、旅先の観光名所の写真を見せて本人が行きたいと言った場所だけ訪れるなど、なるべく見る場所を限定してください。

 その際、上着の内ポケットに名前と連絡先が書かれた紙や身分証、GPS機能が搭載された携帯電話を入れておき、万が一はぐれて保護された際に連絡してもらえるよう事前に準備しておきましょう。

 帰宅後も注意が必要です。旅行に行き生活環境が変わると、「知らない場所に来てしまった」と緊張し、その結果、落ち着かなくなり、本来、睡眠障害がなかった人でも夜間に何度も目が覚めるようになったり、家にいてもソワソワして「家に帰らなきゃ」と、夕暮れ症候群を起こしやすくなるためです。緊張状態による不安が1週間程度続くケースも少なくないので、旅行中だけでなく帰宅後も本人を気にかけ寄り添うことを心がけてください。

▽井関栄三(いせき・えいぞう)1979年新潟大学医学部卒業後、同大学大学院進学。84年横浜市立大学医学部精神医学教室入局、2010年順天堂大学医学部精神医学教授を務めたのち、16年シニアメンタルクリニック日本橋人形町を開院し、院長を務める。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も