著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

また2カ月生き延びた…通院で定期検査を受けるがん患者の心境

公開日: 更新日:

「よろしくお願いします。私の血管、逃げるんです。皮膚を引っ張ると、血管が固定されて刺しやすいと思うのですが……」

「ベテランの方ですね。はい、じゃあ刺しますよ」

「はい」

 腕だけあずけて、横を向いていました。

「ごめんなさい。うまくとれません。左腕はどうでしょうか?」

「はい、左を見てみてください」

「ごめんなさい。別の担当に代わります」

「いえいえ、私の血管が悪いのです。硬い血管で逃げるんです。面倒な患者ですみません」

「ここ、圧迫してしっかり止めておきますね」

 採血は3回失敗して、別の担当に代わりました。賢明な判断、さすが大きな病院だと思いました。結局、4回目でやっと採血が完了しました。

 他の患者の3倍以上、時間がかかったみたいでした。日によっては、簡単に1回で済む時と、5回も刺されることもあります。仕方がない。採血する側は恐縮していましたが、他の患者たちはスムーズに進んでいるようでした。

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