かゆくてたまらない…「結節性痒疹」の新薬が70年ぶりに登場
■かゆみに関係するタンパク質の働きを阻害
そんな中、昨年、今年と承認されたのが「デュピルマブ(一般名)」と「ネモリズマブ(同)」だ。いずれもアトピー性皮膚炎の治療薬として承認されており、「重症アトピー性皮膚炎の治療が劇的に変わった」と高い評価を得ている。今回、結節性痒疹が新たな適応症となった。
ネモリズマブは特定の分子を標的とする生物学的製剤で、かゆみに関係するタンパク質IL-31の働きを阻害する。
「結節性痒疹ではIL-31が皮疹に多く発現しており、研究では健康皮膚の50倍、アトピー性皮膚炎患者さんの病変部の4.5倍。IL-31の発現量とかゆみの強さ、IL-31の受容体の発現量とかゆさの強さが相関していることも確認されています」
従来の治療で効果が見られなかった人が対象となる。
「結節性痒疹の治療ではまずかゆみをゼロにし、半ドーム状の皮疹を平坦にする。そして数年かけて徐々に痕が馴染んでほぼ見えなくなる。結節性痒疹単体なら、完治が可能と考えています」