著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

20年間ひきこもりの60代男性「自宅にだれかを入れるのは怖い」

公開日: 更新日:

 ご本人が孤独の中で暗中模索して訪問診療という答えにようやくたどり着き、がんばって声を振り絞って問い合わせをいただけるまでになったという雰囲気が伝わってくるかと思います。

「車の中でもいいですか? お時間は当日電話で教えてくださるんですよね?」

「ケースワーカーの〇〇さんとは連携をとってくださっているんですよね? 私は普段家族かその人としか話をしないものでして」

 訪問診療を重ねるうちに、それなりの信頼関係が構築され、遠慮なく胸の内を明かしていただけるようになりました。すると電話を通じてご本人の口から、不安や診療に関する疑問や確認したいことについてなど、繊細な質問や問いかけが増えていきました。

「コロナが怖いので、皆さんには失礼かもしれませんが、万全な対策をとってほしいです」

 最近またはやりつつある、コロナやかぜの症状について心配しているという旨の連絡があった時は、「ご安心ください、私たちはほかの患者さんもご病気をお持ちで、コロナにかかると重症化しやすい方が多いので、感染対策については細心の注意を払って診察に伺うことをお約束します」となるべく患者さんの目線に合わせ、安心していただけるようにお声がけさせていただくのでした。

 最近は精神科の在宅医療も需要が増えつつあります。患者さん一人一人のお気持ちに寄り添い訪問するといった在宅医療のあり方は、心のケアを必要とされている患者さんにとても合っているのではないかと考えています。 (火曜掲載)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  2. 2

    「誤審疑惑黒星」の翔猿 大関に完勝でも晴れない審判へのモヤモヤ《昨日悔しい思いをしたので…》

  3. 3

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  4. 4

    「負けた」はずの琴桜が「勝った」ウラ事情…疑惑の軍配が大炎上《翔猿がかわいそう》

  5. 5

    日本ハム新庄監督は続投する?しない? 目下2位と大健闘でも決まらない複雑事情

  1. 6

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  2. 7

    SMAPファン歓喜!デビュー記念のラジオ番組で思い出す「SMAP×SMAP」“伝説の5人旅”と再結成の実現度

  3. 8

    自民党は気に入らないんだよ。でも小泉進次郎はクソ手強いと思うわけ。

  4. 9

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  5. 10

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況