(3)「痔の手術をしないとがんになる」と言われて…
「自分が人間として大切に扱われていないと。検査技師や医師はマニュアル通りに動いているようで、患者ではなくパソコンばかり見ていました」(佐藤さん)
そうした違和感を持ちつつ、手術の前日を迎え、入院中の下着などを持参して病院へ。
しかし、マニュアル診療がアダになったのか、病院の手違いが発覚して手術は延期となった。
「この時、この病院に任せていいのかと目が覚め、医療に詳しい知人に相談しました」(佐藤さん)
その人の紹介でセカンドオピニオンで大学病院の肛門外科を受診することに。検査後に担当医は次のように診断した。
「痔は浅いところにあるので、すぐに手術はしなくていいでしょう。がんのリスクはゼロではないが、現状ではその可能性は極めて低いでしょう」
昔と違っていまはインターネットで医療情報や病院の評判を検索できる。情報過多になるのもよくないが、迷ったら徹底的に調べるか、医療に詳しい人に相談した方がいい。
佐藤さんはセカンドオピニオンで当初の手術方針から経過観察へと治療方針がガラリと変わった。そして恐れていたがんの不安も霧散するのであった。
(医療ジャーナリスト・大家俊夫)