年をとって歩けなくなった…また自力で歩けるようになるでしょうか?
こうした検査をしたうえで、明らかな原因が見当たらないのに歩けなくなっている場合、フレイルやサルコペニアによる虚弱であるケースがほとんどです。そうした患者さんは、加齢によって筋力と体力が低下しているので、筋力と関節の可動域をみれば、重症度の程度がわかります。筋肉がどれくらいついているのかをみて、立ったり座ったりできる筋力があるかどうかを確認するため、私が介助しながら実際に目の前で実践してもらいます。
また、握力を測定して、15キロ未満の人は転倒しやすい筋力状態と判断できます。自分の体重を支えられないくらい両脚の筋力が低下している人も安全に歩くことができません。
こうした検査と診察を行って、脳や骨、関節に大きな問題がなく、フレイルやサルコペニアによる筋力と体力の低下が歩けなくなっている原因だと判断できれば、患者さんに「しっかり治ってまた歩けるようになりますよ」とお答えできます。そしてそうした患者さんは、これまで何度かお話しした「酒向メソッド」を実践して、筋力と骨を鍛えて体力を向上させれば、また自分ひとりで歩けるようになるのです。