年をとって歩けなくなった…また自力で歩けるようになるでしょうか?
■どこまで回復できるかの「評価」が大事
このように、相談に来られた患者さんに「また歩けるようになりますよ」、あるいは「やはり回復は難しいです」とお答えして説明できるのは、脳や骨、病気の有無、筋肉の状態をきちんと調べたうえで、どれくらい回復できるかをしっかり「評価」しているからです。
ところが、一般的な回復期リハビリ病院や老健(介護老人保健施設)では、これらの回復の目安になる検査を行っていなかったり、主治医が的確な評価をできない施設もあります。そのため、「もう高齢だからまた歩けるようになるのは難しい」と年齢だけを理由にあきらめたり、「どこまで回復できるかわからないですが、ご希望ならやってみます」などと入院させて、そのまま寝たきりになってしまったというケースもあります。
つまり、“正解のリハビリ”や“最善の介護”を実践して、患者さんに再び歩けるようになってもらうためには、どこまで回復できるのかを見定める的確な「評価」が重要なのです。そして、その評価に基づいて実際に回復させるためのリハビリ、看護、介護を行い、それを実践することができるスタッフの育成が欠かせません。