錦織は“渡米で成長” 快挙喜べない日本テニス界の育成事情
「日本の指導者は、選手の個性を見ずに自分の型にはめようとする。プロ野球の日本ハムに所属する二刀流の大谷選手がいい例です。プロ入り前は、皆が二刀流なんて無理だと口を揃えていた。これはスポーツの世界に限ったことではありませんが、過去に例がないこと、自分が知らないこと、経験したことがないことは、あれはダメこれもダメと、最初から否定してしまう。だから、その人の指導枠から飛び出る凄い選手は、日本からはなかなか出てこないのです」
先月には、高校野球の強豪・済美高(愛媛)野球部の1年生が2年生からカメムシを食べさせられたり、灯油を飲まされそうになったことが判明した。学校の部活動には、指導者の暴力だけでなく、上級生の陰湿なイジメや厳しい上下関係も存在するなど、子どもがスポーツに後ろ向きになる話題が目立つ。
錦織圭は日本人初のグランドスラム準優勝で、確かに日本テニス界の歴史を変えた。だが、指導者が変わらなければ、日本テニス界の強化、底上げにはならない。清志さんの言葉は重い。