東京五輪追加種目狙う「スポーツクライミング」の将来性
「東京五輪に出るつもりで今年のW杯に参戦している。20年は狙っています」――。
スポーツクライミング日本代表女子のエース野口啓代(26)が、あらためて20年東京五輪出場に意欲を見せた。
21日は、W杯日本大会(23~24日、埼玉・加須)の記者発表会に臨み、「(加須は優勝した)ジャパンカップもあって思い入れのある場所。いいパフォーマンスにつなげたい」と今季初勝利を誓った。
スポーツクライミングは野球・ソフトボールなどの4競技とともに20年東京五輪追加種目の最終候補に入った。実施競技は今年8月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定する。
日本のスポーツクライミングは、W杯シリーズ連覇中の野口を筆頭に男女とも人材が豊富といわれる。五輪では3種目複合で実施予定だが、日本が国際大会結果を残しているのは2種目のみ。突起物を掴んで登る「ボルダリング」、ロープをつたって頂上を目指す「リード」がそれで、15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」は出ても上位入賞は厳しいとみられている。ロシアら東欧勢に強豪が揃う「スピード」でW杯に出場した日本勢は皆無で、野口ですら不得手にしているほどだ。
ここにきて日本代表も海外合宿を行うなどスピード強化に乗り出しているものの、首尾よく追加種目に採用されても20年までに間に合うのかどうか。