大事とり緊急降板のダル 進化の裏に数々の“プラス思考”
■日本ハム時代も先発をドタキャン
この日は久々の中4日のマウンドで右肩にアクシデントが生じたが、右肘靱帯を再建するトミー・ジョン手術から完全復活したのは、その育ちや考え方によるところが大きい。
手術を決断したのは昨年の3月中旬、開幕直前だった。
「痛みはないのですがシーズン中に切れてしまうと来年まで働けなくなるのでそのリスクを改善するための手術になります」とツイッターで発言。会見では「チームにとってはすごく悪いことだし、自分のキャリアにとっても悪いことかもしれないが、いいこともたくさんあるので、そこが楽しみ」とも言った。
ダルは前年、右肘の炎症で8月にシーズンを終えながら、投手陣最多の10勝をマークした。そんなエースが開幕直前、痛くて投げられないほどではないのに、先を考えて長期リハビリが必要な手術を選択した。チームにとって痛手ということは百も承知で、さっさと手術に踏み切ったのだ。
「ボーイズリーグのころから、肩肘に少しでも痛みや違和感があれば、投げなかった。舞台が甲子園とか、チームの勝敗がかかっているといったことは、ダルの中でさほど大きな問題ではない。自分の力をフルに発揮できるか、ベストの投球ができるかが重要なのです。それができないとか、投げたがゆえに後にダメージが残る可能性があると判断したときは、絶対に投げない。日本ハム時代も違和感を理由に何度か先発をドタキャン、首脳陣を慌てさせました」(マスコミ関係者)