日本勢は参考記録止まり 100m9秒台の夢に近づく韓国選手
中国の次は韓国かもしれない。
27日に韓国で行われた「コリアオープン国際陸上大会」で、金国栄(26)が10秒07をマークした。金は2日前に10秒13の国内新記録を出しているから、たった2日で0・06秒も更新した。
これまで韓国は陸上のトラック競技に有望な選手が育たず、100メートルの9秒台は夢のまた夢の話だった。それが金の急成長により、10秒の壁を破ることが現実味を帯びてきたのだ。
アジアで100メートルの記録といえば、98年12月のアジア大会(バンコク)で伊東浩司が10秒00を出したことから、初の9秒台は「陸上が盛んな日本から記録が生まれるのは時間の問題」といわれていたし、国内の関係者もそう信じて疑わなかった。しかし、あれから19年を経ようかというのに、15年の桐生祥秀(9秒87)や今月の多田修平(9秒94)のように、9秒台の時計は追い風参考記録でしか出ていない。
日本勢がもたもたしている間に、中国の蘇炳添が、15年5月のダイヤモンドリーグで9秒99をマーク。蘇は同年8月の世界陸上でも9秒99を出し、アジア人初となる100メートルのファイナリストにもなった。
ウサイン・ボルト(30)の引退レースとなる8月の世界陸上(4日開幕)では、先日の日本選手権で100メートルと200メートルの2冠に輝いたサニブラウンの10秒切りに注目が集まるが、大舞台に強い韓国人選手に9秒台の走りを見せつけられるかもしれない。