来春独立の報道も…稀勢の里が直面する弟子集めのイバラ道

公開日: 更新日:

■故郷・茨城県の人脈は?

 ならば、故郷茨城県の地縁はどうか。あるタニマチ筋は「人脈があっても難しいんじゃないか」と、こう言う。

「かつては稲妻や常陸山、男女ノ川といった横綱を輩出した土地だが、現在は特に相撲が盛んというわけではない。茨城県出身の関取はいま、大関高安だけですからね。しかも、ここは同県出身の藤島親方(元大関武双山)が地盤を築いており、立浪部屋も茨城県にある。独立したばかりの部屋が割って入るのは至難の業でしょう」

 稀勢の里の先代師匠である鳴戸親方(元横綱隆の里)は、日本でも有数の相撲王国である青森県出身。先代を親のごとく慕っていた稀勢の里ならば、開拓も可能か。

「いやいや、絶対に無理ですよ。青森は地元出身の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の勢力が非常に強く、生前の隆の里ですら手を出すことができなかったほどです。有望な力士で別の部屋に入門したのは、最近だと阿武松部屋の阿武咲くらい。これは別の縁があったからですが……。おまけに伊勢ケ浜親方の後継者である安美錦も青森出身で、師匠は父親のいとこという血縁関係。代替わりしても、青森の地盤をごっそり引き継げる」

 独立する多くの親方は数年間、部屋付きをやりながら、人脈を開拓。内弟子の数を揃えたり、入門希望者を確保してからひとり立ちするのが通例だ。

 独立の前にやらなければならないことは山ほどある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…