箱根駅伝まで2週間…「世界陸上」有望選手の故障が心配な日本陸連の複雑胸中
来年1月2日の開幕まで約2週間。スポーツ紙では箱根駅伝に関する記事が多くなってきたが、日本陸連の幹部は心中穏やかではないようだ。
例えば、15年ぶりの総合優勝を狙う順大は、東京五輪男子3000メートル障害で日本人初の7位入賞を果たした三浦龍司(2年)がおそらく1区を走る。三浦は11月の全日本大学駅伝では2区で区間賞を取り、20年ぶりの3位に貢献。本番に向けて調整に余念がない。
「サンショー(3000メートル障害)と1区間20キロ以上の箱根では、距離がまったく違うし、駅伝は固いロードを走るので下肢の故障が怖い。青学大の原(晋)監督が言ってましたが、厚底シューズのおかげで記録が伸びている半面、臀部周辺を故障する者が急増している。厚底は一般的なシューズとは使う筋肉が異なるのです。来年7月には、五輪の次に重要な世界陸上(米ユージン)がある。三浦は好成績が期待できるだけに、陸連にとっては箱根駅伝の練習や本番で故障されたら困る」(実業団OB)
それなら、11日の関西実業団ディスタンストライアルの女子1万メートルで日本歴代2位(30分45秒21)の記録を出した拓大の不破聖衣来(18)も同じだろう。このレースで世界陸上参加標準記録(31分25秒00)を余裕で突破。世界陸上をステップに、24年パリ五輪での開花が期待される逸材だが、ここ最近は駅伝漬け。10月に全日本大学女子、11月は東日本女子を走り、今月30日には富士山女子が控えている。来年1月16日も全国都道府県対抗女子がある。