著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

15日の巨人戦で快投! 幻の開幕投手・青柳晃洋が虎のエースになった日

公開日: 更新日:

■ローテ3番手くらいが

 青柳には失礼だが、これまでエースという言葉があまり似合うタイプの投手ではないと思っていた。実績的には外様ではあるが西勇輝が頭ひとつ抜けているし、派手さでは藤浪晋太郎、瞬間最大風速では高橋遥人の存在感が際立っていて、青柳のようなドラフト下位からの叩き上げで変則型の技巧派投手はローテの3番手くらいが据わりがいいと勝手に感じていた。

 古い話だが、東尾修が西武のエースだった時代の松沼博久、阿波野秀幸や野茂英雄が近鉄のエースだった時代の佐々木修、清水直行がロッテのエースだった時代の渡辺俊介阪神では90年代の藪恵壹ではなく川尻哲郎。山田久志は別格としてサイドスローやアンダースローの投手はそういうポジションが良い意味で絶妙に似合っていた。

 しかし、この阪神の球団史上最大の窮地に、遅れてきた開幕投手・青柳が快投を見せたことは、しかも甲子園での巨人戦で菅野相手に投げ勝ったことは、これはもう、ヒーローそのものだ。考えてみれば、阪神にはここ一番の勝負どころで勝ってくれる、真のエースと呼べるような投手が久しく現れてこず、それが課題でもあった。藤浪はそもそもあれだし、高橋はガラスの左腕だし。

 青柳は体が強く、スタミナもある。そこに勝負強さも備わっているのなら、これは押しも押されもせぬ虎のエースだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  5. 5

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    「エンゼルス佐々木朗希」誕生へ…菊池雄星との大型契約&異例の早期決着で獲得に布石

  3. 8

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  4. 9

    清原ジュニアが現役引退表明…今度はテレビ局が争奪戦か? こんなにいる慶大野球部出身アナウンサー

  5. 10

    補強?育成?ソフトBまさかの日本シリーズ惨敗で大混乱…物議を醸した《支配下7人クビ》のひずみ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    パワハラ騒動で楽天退団 安楽智大の去就どうなる? 兄貴分・田中将大の自由契約で話題沸騰中

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    田中将大獲得に及び腰なのは《復活うんぬん以前の問題》…“外野”がフォローするほど現場との温度差浮き彫り

  1. 6

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 7

    巨人が“大山資金”で怒濤の上積み…FA石川柊太争奪戦で5球団「3年6億円」横一線の均衡破る

  3. 8

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  4. 9

    フジテレビ『ザ・ノンフィクション』で注目された50代男性の裏話と結婚できる中高年の境界線 

  5. 10

    石破政権を直撃!岩屋毅外相につきまとう「100万円」疑惑…米国発カジノ汚職で再燃