大谷の強力後ろ盾を丸裸!カネは出しても口は出さない金満オーナー&引く手あまたの敏腕編成本部長
他所へ移籍話浮上なら大谷の契約破棄に現実味
■アンドリュー・フリーマン(編成本部長)
金満球団同士による争奪戦を制してプロスポーツ史上最高額の契約をまとめたアンドリュー・フリードマン編成本部長(47)。
ウォール街の投資銀行を経て、2004年にデビルレイズ(現レイズ)のフロント入り。資金力に乏しく、ア・リーグ東地区のお荷物だった球団の育成部門で実績を積み、28歳の若さでGMに就任した。予算が限られる中、ドラフトと育成でチームを強化し、08年には球団史上初のワールドシリーズ進出を果たした。同地区の強豪であるヤンキース、レッドソックスと互角に渡り合い、計3度ポストシーズン進出に導いた編成手腕を評価されて14年、ドジャースの編成本部長に招かれた。
ド軍では補強に加えて古巣レイズ同様、ドラフトと育成を重視し、マイナー組織の拡充を図ってチームを強化。就任以降、9年連続ポストシーズン進出、20年には古巣レイズとの対戦となったワールドシリーズを制して、32年ぶりの世界一をもたらした。
20年のチーム年俸総額は30球団トップの1億2500万ドル(当時約131億円)。「カネで世界一を買った」との批判にフリードマン編成本部長は当時の米メディアのインタビューに「年俸総額がチームの順位を決めるわけではない。ドラフトやトレード、FAなどでいかに効果的な補強ができるかにかかっている」と真っ向から反論している。
長年、ドジャースを取材する米放送関係者がこう言う。
「大谷が入団会見で『全員が勝ちに対して同じ方向を向いている』ことがド軍入りの決め手になったと話していましたが、これはフリードマンの方針がメジャーから傘下のマイナーまで徹底されているからでしょう。フリードマンは編成などのフロント業務をこなすだけでなく、現場の監督、コーチ、選手と積極的にコミュニケーションを図って意識付けを徹底している。プレースタイルがチーム方針に合致しない選手には自ら説得を試みることもある。選手獲得に資金を投じているのは事実だが、チームが向かうべき方向性を重視するフリードマンのブレない姿勢がドジャースの強みでもある」
大谷は契約のオプトアウト(契約破棄)条項に、マーク・ウォルター・オーナーとフリードマン編成本部長の退任を契約に盛り込んだ。入団会見で「ドジャースに入団すると同時に、メインのお二方と契約する形ですし、そこがもし崩れるのであれば、この契約自体も崩れる」と説明したが、フリードマン編成本部長が現職にとどまる保証はない。
チームの運営手腕はメジャーだけでなく、NFLなど他のプロスポーツのオーナーからも高く評価されており、常にヘッドハンティングの噂が絶えないからだ。
20年に契約を更新したフリードマン編成本部長の年俸は1000万ドル(約15億円)。
先の会見では「ロスに住むことは好きだし、球団をつくり上げていくことも含めて大好きだから(契約破棄の条件は)問題ない」と話したが、ド軍を上回る好条件や彼にとって魅力的なオファーがあれば、大谷の退団は現実味を帯びてくる。