《小久保監督 #1》球団に異例の直談判…入団早々にチームのルールを変えさせた練習の虫
いくら大卒選手とはいえ、そこはルーキー。普通なら「仕方ない」とか「練習を早めに切り上げてメシを食うしかないか」と思うはずで、球団に物申すなんて考えられません。しかし、そこが「小久保が小久保たるゆえん」でしょう。
影響力も強く、後輩の井口資仁とオールスターに出場した時です。
球宴の翌日は全体練習が休み。そのため、ほとんどの選手は球場から荷物出しをします。
そんな時、井口が「田尻さん、小久保さん……バット持ってました?」と聞いてくる。僕が「持ってたよ」と言うと、井口は「マジっすか……。じゃあ明日は練習ですね」と苦笑い。バットを配送せず、持って帰ったということは、翌日も練習する気満々ということです。本来なら井口も休みたかっただろうけど、野手のリーダーである小久保が練習をするのだから、誰も休めない。休日のはずが、野手は全員練習日になってしまった(笑)。
ケガに対する意識も非常に強かった。僕の息子も野球をやっていて、剥離骨折をしたことを小久保に言うと、「田尻さん、剥離骨折は骨折じゃないから。痛みを我慢すればプレーできますから」といったあんばい(笑)。さすがに首を痛めた時は休養となりましたが……。