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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ヤンキースのオーナー「スタインブレナー家」の変化を告げるレイズ救済…かつてはことあるごとに敵愾心も

公開日: 更新日:

 今回の措置は1966年にガルフ・コーストリーグ・ヤンキースを創設して以来、タンパとの関わりを密接にしてきたヤンキースが本拠地を一時的に失ったレイズの窮状を救ったことになる

 だが、2010年に没し、球場名にその名を残す先代オーナーのジョージ・スタインブレナーの時代を考えれば、ヤンキースがレイズに友好的な態度を示すことは隔世の感がある。

 なぜなら、スタインブレナーはヤンキースの縄張りと考えていたタンパに、しかも同一リーグの同一地区にメジャーリーグ球団が本拠を構えることを喜ばず、ことあるごとに敵愾心を示していたからだ。

 1973年にヤンキースを買収して以降、球界の頂点に立つためであればフリーエージェントとなった有力選手と積極的に契約を結び、ビリー・マーチンを5回にわたって監督に据え、5回解任するなど、あらゆる手段を用いたのがスタインブレナーだった。そこには、ヤンキースこそが人生の全てであるというスタインブレナーの強い意志が表れていた。

 しかし、息子である現任のハル・スタインブレナーにとって、ヤンキースを所有することは人生そのものではなく、事業のひとつでしかない。今や大リーグで最古参の球団所有者となったスタインブレナー家にも、着実に変化が起きているのである。

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