「エスノグラフィ入門」石岡丈昇著
「エスノグラフィ入門」石岡丈昇著
エスノグラフィとは、対象世界(フィールド)に分け入り、長期間過ごしながら人々の生活について記述する、人類学や社会学で用いられる研究手法であり、そうして生み出された作品そのものを指す言葉でもある。
「エスノグラファー」として、これまでフィリピンのボクシングジムやスラムに関するエスノグラフィを執筆してきた社会学者の著者は、エスノグラフィの核心とは「生活を書く」ことだと説く。
本書は、フィリピンのマニラのスラムに隣接する地区で、現地のボクサーと共同生活をしながら調査研究を進めた自らの体験や、シカゴの都市問題を研究するシカゴ学派と呼ばれる研究者たちによるエスノグラフィなど、名作を紹介する。
それら手法の実際と魅力を伝える入門テキスト。
(筑摩書房 1056円)