猛暑続く夏 「暑さに弱い人」がチェックするべき3つのこと
「水をこまめに飲むか、ガブ飲みするかの違いも大きい」と言うのは、東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏。熱帯病の専門家ながら、水についての研究も重ね、「正しい水の飲み方・選び方」などの著書もある。藤田氏が続ける。
「水分含有量は体重の50~60%で、そのうち5%が脱水すると、めまいや立ちくらみなど軽い熱中症になります。ところが、2%の脱水だと、のどの渇きを感じるのですが、それ以上だと、のどのセンサーが鈍り、渇きを感じにくくなるため、普段からこまめに水分を取る人より、まとめて水を飲もうとする人の方が、脱水症状が引き起こされる恐れがあるし、暑さに負けやすいのです」
■内勤の会社員は“汗腺力”が衰えやすい
冒頭の汗腺は、大人になってからも環境の影響を受ける。大人の“汗腺力”と水の飲み方を加味すると、仕事によっても暑さの適応力の差が見えてくる。
「外回りの営業マンは、日光を浴びて“汗腺力”が磨かれる上、打ち合わせの合間にこまめに水分を取ることができますから、一番、暑さに強い。人事や経理、総務などの内勤は、“汗腺力”こそ鍛えられませんが、ある程度自分の都合で水分を取ることができる点で、暑さに負けることはありません。危ないのは、内勤でありながら思うように水分を取れない部署の人。たとえば、銀行や携帯ショップ、役所の窓口の人、百貨店や量販店の販売スタッフなどは“汗腺力”が衰えやすい上、仕事柄、脱水も続きやすい。イベントスタッフなども要注意です。内勤の人は、暑さの中でもランチに遠出したりすると、汗腺が鍛えられます」(西崎クリニック・西崎統院長)