「立っている」だけでなぜ健康に? メカニズムを医師が解説

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「立つことのススメ」を説いた米ノンフィクションライターのトム・ラス氏の著書「座らない!」(新潮社)が話題を集めている。同書によると、人間が座って過ごしている時間は1日平均9.3時間。これが肥満糖尿病などの健康問題を引き起こしているという。説得力を増しているのが、ラス氏の生い立ちだ。16歳でがん抑制遺伝子が機能しない遺伝性疾患と診断され、がん細胞が増殖する体質と闘いながら健康習慣に関する取材を重ねてきたという。

 立ち飲みや立ち食いがはやってはいるものの、確かに座っている時間は長い。デスクワークしかり、移動しかり、リラックスタイムしかり……。しかし、立っていることがそんなに体にいいのか。医学博士の米山公啓氏はこう言う。

「メタボや糖尿病予防でNEAT(非運動性活動熱産生)が推奨されているのと理屈は同じでしょう。要するに、日常動作でエネルギー消費を増やし、ためない体をつくろうということです。3時間立ちっぱなしの消費カロリーは、おにぎり1個分相当。立っている時間を増やせば、消費カロリーも比例して増えるわけです。なにより、立っていると交感神経が働いて緊張感が高まるので、副交感神経が優位になる座った状態よりもパフォーマンスが上がります。職場に取り入れている企業がちらほらあるようですが、デスクワークや会議を立ったままやれば効率アップが期待できます」

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