「睡眠時無呼吸症候群」で有効のはずが “ASVマスク”の危険度

公開日: 更新日:

 この結果を受け、米国睡眠学会などは「左室収縮機能が低下(左室駆出率45%以下)した慢性心不全かつ中枢性睡眠時無呼吸の患者に対してASV使用を制限する」と提言。日本循環器学会と日本心不全学会も、同様の患者へのASV使用を「慎重に検討すべき」と発表している。

 東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授は言う。

「中枢性無呼吸は、呼吸筋を休めて肺容量や気道内圧を増加させ、交感神経を鎮めて心不全を改善させようとする作用もあります。心臓の動きが悪いタイプの心不全患者がASVを使うと、この作用を弱めてしまう可能性があるのです。また、気道内圧が不適切に上がると、心機能が傷害される可能性も考えられます。心臓の動きが比較的良い患者さんでは問題ないようですが、重症心不全の一部の患者さんは注意が必要です」

 患者が機械をしっかり使えていなかったケースや、ASVを使ったグループは不整脈が多かったことから、ASVで心機能が改善して行動が活発になり、逆に不整脈などを招いてしまった可能性も考えられている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった