よく眠れる春だからこそ…「睡眠リズム」崩すべからず
「春眠暁を覚えず」というように、春はとにかく眠くなる。ただし、いたずらにずるずる寝ていると、かえって不調を招いてしまう。よく眠れる季節だからこそ、質の高い睡眠をしっかりとって、リズムを整えなければいけない。
気温が上昇する春は、代謝率が上がり、発汗、心拍数、血圧などもアップして活動量が増える。その分、体は疲労するため、しっかり眠って回復させようとする。春になると眠くなるのはそのためだ。
全国で睡眠セミナーを開催している作業療法士の菅原洋平氏は言う。
「気温が低い冬は、活動時や緊張状態で優位になる交感神経が活発になっています。しかし、気温が上昇して活動量が増える春は、リラックス状態で活発になる副交感神経が優位になって、体を休めようとする。この交感神経の切り替えにきちんと対応できずに睡眠のリズムが崩れてしまうと、不調を長く引きずってしまいます」
睡眠のリズムを整えるには、「起床時間を揃える」ことが基本になる。春はよく眠れるからといって、休日になると普段より遅い時間に起きて“寝だめ”する人が増えるという。しかし、これは逆効果。「単に長時間睡眠をとれば体を休められる」という先入観は捨てた方がいい。