エッセイスト・岸本葉子さん(54)虫垂がん

公開日: 更新日:

■入院中は医師の説明などをメモ

 独り身で付き添いもいないので、入院準備の買い出しも必要でしたし、ゆっくり落ち込む暇もなく入院生活に突入。手術は、虫垂のほか隣接転移したS状結腸の一部、その周りの腹膜の切除で、全身麻酔の開腹手術でした。目覚めた後は、人工呼吸器を付けていた喉と腹部の傷が痛かった。でも、翌々日にはもう「歩いてください」って。

 入院生活も暇ではなかったです。入院中は見たことや考えたこと、先生の話など、とにかくいろんなことをメモしました。状況を整理し、分かったことを確認して安心材料にするためです。

 たとえば、痛い状況ひとつとっても「なぜ痛いか」「そのためにこう対処しているから大丈夫」といったことが分かると、たとえ痛み自体は変わらなくても恐怖心は軽くなるんです。それと、入院中は週ごとに目標を立てていました。第1週から「適応」「手術を乗り越える」「リハビリ」「社会復帰」の4週間分です。目の前の目標をコツコツこなすことも、ひとつの不安解消法。病院でボーッとしていると大抵、悪いことばかり考えてしまいますからね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド