寿命が縮む高齢者の「腰曲がり」 日常予防と手術治療法
■息苦しさや食欲不振、逆流性食道炎を引き起こすことも
腰曲がりが引き起こす障害はいくつかある。「腰背部の痛み」「疲労感」「立ち上がったり歩行したりが困難になる」が代表的なものだ。
「日常生活の基本動作ができなくなり、引きこもりや、寝たきりを起こし、運動器の病気『ロコモティブシンドローム』につながります。また、心臓や腹部が圧迫されて息苦しさや食欲不振、食べたものが食道に上がってくる逆流性食道炎のような症状が出てきます。寿命が短くなるという報告もあります」
だからまずは予防に努めるべき。具体的には、(1)骨を丈夫にする食生活を心掛ける(2)背筋、臀筋を鍛える(3)背骨を反らせるストレッチを日常的に行う。
「背筋、臀筋が衰えれば体を支えられず、前に曲がりやすくなります」
また、骨粗しょう症と診断されている人は、薬物治療が先決。「骨粗しょう症で適切な薬物治療を受けている人は2割程度」と指摘する骨粗しょう症の専門医もいるが、これは腰曲がりへの進行を阻止するチャンスを失っている人が多いということだ。