科学的根拠なくても 歯科医が語るデンタルフロスの有効性
「フロスには、歯磨きでは取れない歯と歯の間に詰まった食片を取る以外に、歯垢(プラークとも呼ばれる細菌叢)の成熟を抑える目的があります。これは、歯垢を取るというより“壊す”ことです」(木村院長)
歯垢は食後12~72時間以内に増殖し、歯周病などを引き起こす悪玉菌を増やす。これが歯垢の成熟だ。フロスで歯垢が壊れると、嫌気性の悪玉細菌に空気が流れ込み、増殖が抑えられるという。
「その結果、歯垢によりダメージを受けて腫れていた歯ぐきが元に戻ったり、口臭が消えたりなど口腔内の環境が良くなるのです」
ただし、フロスの使い方を知らず、ただ歯ぐきを傷つけるばかりというケースが多いのも事実だ。
「フロスは歯と歯の間に歯間ブラシが入らない時に使うもの。40~50センチでカットして両サイドを両手の中指に巻き付け、2センチほどの間隔を作るようにして親指と人さし指でフロスを持ちます。これを歯と歯の間に通し、歯の側面に滑らすようにして上下前後に動かしながら歯垢をこすり落とすように使います」(別の歯科医師)
ちなみに、フロスが引っ掛かる、切れるという場合は、歯石ができたり、治療のためのかぶせ物に不具合があるためだ。早めに歯科医師に相談した方がいいという。