【アトピー性皮膚炎】東京逓信病院・皮膚科(東京都千代田区)
「30年前にあった『ステロイドは副作用が怖い』という誤解によるバッシングがいまだに尾を引いているのです。そのためステロイドを適正量使わない『腰引け』になり、治療が不十分なまま貴重な人生を台無しにしてしまっているのです」
ステロイド外用薬の長期使用による副作用と誤解されているのは、「皮膚が黒くなる(色素沈着)」「厚ぼったくなる」など。しかし、この症状はステロイドを怖がって十分な量を塗らないために炎症が完全に治まらず、くすぶった状態で引き起こされる症状だという。
1回に塗る外用薬の適正量の目安は「フィンガー・チップ・ユニット(FTU)」と呼ばれ、診療ガイドラインでも推奨されている。
「FTUの量は、外用薬を指先に第1関節まで押し出した量です。これを手のひら2枚分の面積に塗ることがとても重要になります。この塗り方を守れば、どんな患者さんでも十分な量が塗れるので、皮膚が黒く厚くなってしまうようなことはまず起こりません」
■人気の秘密は正しい薬の塗り方の徹底指導