夏目亜季さん 「お母さんを呼んで」でよほど悪いと察した
子宮頚がんがわかったのは、それとはまったく別なことがきっかけでした。アニメの看板娘としてユニットで全国を回っていた2014年の夏、不正出血が続いていました。でも、「薬のせいでホルモンバランスが狂っているのだろう」としか思っていなくて……。ただ、地元の友達が卵巣の手術をしたと聞いたことで少し心が動き、「じゃ、行ってみるか」と思って子宮の検診を受けに行ったんです。
検査結果は1週間後と言われたのに、それを待たずに病院から呼び出しがあり、「がんの陽性反応がありました。子宮頚がんになりそうな段階です」と告げられました。すぐに大きな病院を紹介され、別の検査をすると、今度は「お母さんを呼んでください」と言われたんです。いま考えても、それが人生で一番ショックな出来事でしたね。実家が京都だとわかっていてそれを言うということは、よほど悪いに違いないと察しました。
■毎日放射線、週1回は抗がん剤
診断は「子宮頚がん1B1期」。これは「子宮全摘」を意味するものでした。それでも、「子供を産める可能性を残したい」とあがいて病院を転々としました。そして、4つ目の病院でこう言われたんです。「子供うんぬんではなく、生きることを考えなさい」って……。もう諦めるしかないと思いました。