夏目亜季さん 「お母さんを呼んで」でよほど悪いと察した
ただ、子宮全摘といっても持病のために手術はできないらしく、放射線治療しか選択肢がありませんでした。初めは入院しましたが、持病にがん治療の悪影響がないことがわかってからは通院になりました。約2カ月間、平日は毎日放射線、そして週1回は抗がん剤も併用しました。
後半には、腔内照射という放射線を子宮内から当てる治療を受けたのですが、これが何より痛くてつらかった。出産の痛みが“鼻からスイカを出すくらい”だとしたら、その真逆。ものすごい圧迫感の痛みでした。
医師や研修医がたくさん立ち会う中、分娩のようにヒーヒーフーフーと呼吸しながら、たくさんの器具をお腹の中に入れられるんです。しかも、麻酔なし! 照射の位置を固定して照射が終わるまで1時間、ときには1時間半もじっとしていなければなりませんでした。この治療はすごく嫌でしたね。
そんな14年の年末を終え、「寛解です」と言われたのは年明け1月でした。マスコミで取り上げられることも増えましたが、可哀想に思われるのもキャラじゃないし、この経験をプラスにしたいと思ったんです。それで、自らがん検診の啓蒙活動をしている会に連絡してイベントに参加したり、学校での講演を始めました。