診断に7年…漫画家・島津郷子さんとパーキンソン病の闘い
初めは大学病院の神経内科で「過労」と診断されました。当然ですが、処方薬を飲んでも手の震えは悪化するばかりでした。その後、別の病院の精神科を訪れると「うつ病」と診断され、抗うつ薬を処方されました。でも精神的な不安はますます募り、震えはひどくなりました。そして、02年に連載を中断し、長期休暇を余儀なくされたのです。
「自分はパーキンソン病なのではないか」と確信を抱くようになったのは、05年に「パーキンソン・ノイローゼ」と診断されて入院した精神科病棟がきっかけでした。3カ月半、いろいろな薬を試す中、ある薬を飲んだときに手の震えが止まる感覚を覚えたのです。「マドパー(L・ドーパ)」という薬で、後に「これが効いたらパーキンソン病」とされる薬だと知ったのです。
でも、行く先々で診断されてきたのは心身症、うつ、不安神経症、脅迫神経症、解離性障害……。精神科病棟を退院した後もそれは続きました。しかも、「パーキンソン病の権威」といわれる医師の診断でもパーキンソン病の疑いを否定されてしまったのです。それがまるで“お墨付き”のようになって、ほかの病院で半月以上入院してつらい検査をしても、同じ結果しか出ませんでした。