診断に7年…漫画家・島津郷子さんとパーキンソン病の闘い
「あの権威ある医師に認めてもらわない限り、どこへ行ってもダメなんだ」と悟った私は、その医師に手紙を書いて再度受診しました。手紙にしたのは医師を目の前にするとうまく話せそうもなかったから。内容は、発症の時期や症状の詳細、なによりマドパーが効いているという事実を訴えるものでした。ちょうど先生が手紙を読んでいる最中に薬が切れて、目の前で震えが始まったことも功を奏し、やっとパーキンソン病と認められたのです。
■頭に電極を植え込む手術で震えが嘘のようになくなった
でも、それは決して喜ばしいことではなくて、完治しない病気との闘いの始まりでした。治療は、薬とリハビリという対症療法です。全身に震えがくると座っても立ってもいられなくて、コップを持てば床に水をばらまいてしまうほど。薬で震えは止まるけれども、効力はどんどん短くなっていって、規定の頻度を超えてかなり頻繁に服用したこともあります。
そんな頃、知り合いから聞いたのが「脳深部刺激療法」です。もちろん初めは「頭に電極なんて無理!」と思いましたよ。場所が脳だけに後遺症が残って、今より救われない状態になった場合の恐怖との葛藤もありました。でも、手術を受けた人の手記や笑顔の写真に背中を押されたのです。