診断に7年…漫画家・島津郷子さんとパーキンソン病の闘い

公開日: 更新日:

あの権威ある医師に認めてもらわない限り、どこへ行ってもダメなんだ」と悟った私は、その医師に手紙を書いて再度受診しました。手紙にしたのは医師を目の前にするとうまく話せそうもなかったから。内容は、発症の時期や症状の詳細、なによりマドパーが効いているという事実を訴えるものでした。ちょうど先生が手紙を読んでいる最中に薬が切れて、目の前で震えが始まったことも功を奏し、やっとパーキンソン病と認められたのです。

■頭に電極を植え込む手術で震えが嘘のようになくなった

 でも、それは決して喜ばしいことではなくて、完治しない病気との闘いの始まりでした。治療は、薬とリハビリという対症療法です。全身に震えがくると座っても立ってもいられなくて、コップを持てば床に水をばらまいてしまうほど。薬で震えは止まるけれども、効力はどんどん短くなっていって、規定の頻度を超えてかなり頻繁に服用したこともあります。

 そんな頃、知り合いから聞いたのが「脳深部刺激療法」です。もちろん初めは「頭に電極なんて無理!」と思いましたよ。場所が脳だけに後遺症が残って、今より救われない状態になった場合の恐怖との葛藤もありました。でも、手術を受けた人の手記や笑顔の写真に背中を押されたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高野連を直撃「甲子園でリクエスト制度なぜ導入されず?」

  2. 2

    これも防災対策のひとつ? 「ソーラー充電器」は買っても秘密にしておけ

  3. 3

    大谷は連日の一発、メジャー6人目「40-40」目前…それでも「未来が見えない」根本原因

  4. 4

    加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある

  5. 5

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  1. 6

    小泉進次郎の自民総裁選出馬に暗雲…「3つのネガティブ材料」で“客寄せパンダ”に急激な引き潮

  2. 7

    小林鷹之氏のカネ集めは「古い自民党」そのもの…初入閣後にハイペースでパーティー開催

  3. 8

    Number_iに囁かれるキンプリ遺産の食い潰し…サマソニで持ち歌少なくデビュー曲を2回披露

  4. 9

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  5. 10

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ