朝起きたらぐっしょり…「寝汗」には意外な病気が潜む
「寝入ってから20~30分後くらいにステージ4を迎えると眠りが一気に深くなり、汗の量はピークとなります。その後、徐々に眠りが浅くなりレム睡眠に移ると汗が減少または消失します」(菅屋名誉教授)
人間は一晩にこの睡眠周期を数回迎える。周期が進むにつれてノンレム睡眠の眠りは浅くなり、汗の量は少なくなる。そのため、実際は汗をかいているのに朝起きたときには体が乾いていて寝汗に気づかないという。
ちなみに、レム睡眠に入るとノンレム睡眠時より体温は高くなる。レム睡眠では体温調整機能が鈍くなるからだ。
「健康な人でも暑いときに目が覚めるのは、レム睡眠が続くと無自覚に体温が急上昇して危険だからと考えられています」(菅屋名誉教授)
実際、暑い日でも総睡眠時間はほとんど変わらないのに、レム睡眠の総時間数は気温29度と比べて34度ではその80%に減るという。
■悪性腫瘍も寝汗をかきやすい病気
とはいえ、寝汗はこうした健康的なものばかりではない。なんといっても怖いのは病気によって引き起こされる寝汗だ。北品川藤クリニック(東京・北品川)の石原藤樹院長が言う。