心筋梗塞や脳梗塞も 肉好きの「便秘」に潜む重大リスク
「以前はそう考えられていましたが、いまは違います。飽和脂肪酸の摂取量を減らすほど脳梗塞や脳出血などの脳卒中が増える。そんな従来の考えとは逆の研究結果も報告され、コレステロールや飽和脂肪酸だけでは、動脈硬化を説明できなくなったのです」
食事によるコレステロール摂取量は全体の20%程度と少ない。それもあって、2年前から米国農務省・保健福祉省から「食事でのコレステロール制限は必要なし」と発表され、日本でも「日本人の食事摂取基準2015年版」からコレステロール摂取の上限制限は撤廃されている。
「人は住んでいる土地の風土や食習慣、生活習慣、体質などによって腸内細菌叢の常在菌の分布が変わってきます。腸内細菌叢は血液型のように型があって、肉食中心の人に多い細菌叢、菜食中心の人に多い細菌叢など3つに大別する研究者もいます。そのタイプによってTMAを代謝する能力が違っていて、同じ肉や卵黄を食べてもそのタイプによって動脈硬化が促進されやすかったり、そうでなかったりするといわれているのです」
つまり、動脈硬化になりやすいかは肉などの食べ物というより、その人が持っている細菌叢の機能の違いということか。