クーラーで足だけ冷たい人 その症状は重大病の前触れかも
末梢動脈疾患とは、足や手などの末梢の動脈硬化が進む病気。日本の推定患者数は50万~100万人。70歳以上に限ると15%、高齢者の糖尿病患者では実に半数以上がこの病気だといわれる。
■最終的には切断も……
とはいえ、“足や手の細い血管が詰まったからといって心筋梗塞と何の関係があるのか?”とピンとこない人もいるだろう。しかし、動脈硬化は足や手の細い血管だけに起こるわけではない。足の重だるさは心筋梗塞や脳梗塞の前兆なのだ。
実際、約7万人が対象となった「REACH研究」では、末梢動脈疾患の患者の50%が冠動脈疾患を、25%に脳血管疾患が認められている。
「怖いのは、この病気の患者さんの60%がいくつもの血管と臓器の病気を抱えていたということ。しかも末梢動脈疾患の人の死亡率は5年間で30%と報告されているのです」
末梢動脈疾患は重症度により4つに分類される。Ⅰ度は無症状、Ⅱ度は歩くと足の筋肉への血流が不足して痛みが出て休みながらでないと歩けなくなる、Ⅲ度はじっとしていても痛くなる安静時痛が表れる、Ⅳ度は潰瘍・壊死が起こる。