手術中は痛みで暴れ回り職員に取り押さえられていた
車を運転中、低血糖で呼吸困難に陥り、目の前が真っ暗になったことがあった。明らかに糖尿病の薬の副作用に思えた。
患者にも百様があって、それぞれの体質や体調によって一律では対応しきれない。しかし、多くの糖尿病専門医がそうであるように、彼らは画一的に数値だけでしか判断ができない。
そこで何人かの先生に相談したところ、ある先生がこう話した。
「高橋さん、薬はやめましょう。自分の体のことは患者が一番よく知っています。今の世の中、予防が重要だと皆さんが言いますが、病気は悪くなってからジタバタすればいいのです。健康診断をすれば、健康な体であっても、何か病気をつくられてしまいますから」
がんでない人もがんにされてしまうのだ。
インスリンは59歳から打っているが、実は注射は苦手だ。ただし、今は痛くない注射針ができている。ナノパス33というのだが、墨田区東向島の町工場のオヤジが開発したものだ。もう80歳を越えられている岡野工業社長の岡野雅行さんは、下町の発明家と呼ばれ、これはもはや針であって針ではない。