胆管がん<4>「アクションを起こしながらがんと戦う」
「胆管がん、ステージⅣです」――。
末期がんの告知を受けた西口洋平さん(38歳=東京・足立区在住)は現在、「東京逓信病院」(東京・千代田区)で抗がん剤治療を受け続け、この2月で4年目に入った。
30代という働き盛りで仕事も順調だった。一人娘は幼稚園の年長組である。なんの不自由もない円満な家庭生活を送っていた。
だが、そんな家族の大黒柱に「手術も不可能」という末期がんが襲ってきた。
告知を受けた日、西口さんは「なんで私が……」と病院の階段で膝を折り、ひとりで泣き崩れた。進行がんは腹膜やリンパ節にも転移しており、もはや治療の選択から全摘出の手術は除外された。
術後から今日までの丸3年間、入院と通院を重ね、倦怠感などの副作用と格闘しながら抗がん剤治療に徹してきた。
■「キャンサーペアレンツ」を立ち上げる
がん治療のかたわら、会社にも通勤した。なんとなくもどかしさを感じる体調不良の中で、やがて西口さんの気持ちが前向きに進み始める。