座りすぎ研究 座位時間が長いほど総死亡リスクは高くなる
そこで岡教授が提唱しているのが、立っても座っても仕事ができる「スタンディングデスク」の職場への導入だ。通常のデスクの上に設置する簡便なものもある。近年は外資系やベンチャーなど、導入する企業が増えている。
「座りすぎ対策は、会社組織として介入しないと個々の社員では取り組みにくい。立ちたいときは立って、座りたくなったら座る、仕事の仕方を社員が自由に選択できることが重要なのです」
対策に積極的に取り組む企業には、「肩こり・腰痛の解消」「集中力が高まる」「社員間の会話が増える」「姿勢が良くなる」などのいい効果が生まれているという。
座位時間が急激に伸びたのは文明の恩恵。これからの時代は「便利」をどう使うかが「健康」のキーワードだ。
▽1999年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程を修了。博士(人間科学)。早稲田大学、東京都老人総合研究所を経て、06年早稲田大学スポーツ科学学術院准教授に着任。12年から現職。〈所属学会〉日本運動疫学会副理事長、日本健康教育学会理事、日本行動医学会理事など。