主治医の説明が理解しづらいなら“病理外来”という選択肢も

公開日: 更新日:

坂谷貴司教授 日本医科大学付属病院・病理診断科(東京都・文京区)

 がんの診療の場合、「病理診断」によって確定診断がなされ、それに基づいて治療方針も決定される。病理診断とは、患者から採取した細胞や組織を顕微鏡で見て診断することで、実際に行うのは普段は患者と接することのない病理専門医。一般的に、その病理診断結果が主治医(臨床医)から患者に伝えられる。

 しかし、病理専門医が記載した内容が患者に十分理解できるように伝えられているとは限らない。診断結果には、専門家でないと理解が難しい文章も含まれる。「病理外来」はセカンドオピニオンのひとつで、患者や家族が病理専門医から直接説明を受けられる外来だ。

 同院の病理外来を担当する坂谷貴司教授が言う。

「血液検査などのように数値で示されるなら、分かりやすく患者さんもすぐ納得できます。しかし、病理診断では良性か悪性かだけでなく、良悪の判断が難しい場合もあります。主治医から『がん』と伝えられる場合もあれば、『がんの疑い』と言われる場合もある。そうなると患者さんも不安です。なぜ、治療が必要なのか、経過観察でいいのかなど、患者さんの不安や疑問に対して実際に標本を目で見ながら病理専門医が直接分かりやすく説明することで、病気への理解も深まり、治療に専念できると考えています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題