50代で突然の膵臓がんステージ4の宣告をどう受け止めるか
それから私が半生を振り返った手記をまとめ、佐藤君がそれについてインタビューするという共同作業が始まりました。佐藤君が原稿を書き上げたのは今年2月8日。私が強力な抗がん剤治療のため国立がん研究センターに入院した翌日です。
先日、「治療法がないので緩和ケアへ」と宣告されました。2通りの抗がん剤を試しましたが、いずれも転移した肝臓のがんが拡大し、継続できなかったのです。
私としてはファイティングスピリットがあり、緩和ケアに移るのは少し先延ばしにしたい。だからもう一度、最初に受けた抗がん剤をやらせてくれないか。そう医師に伝え、4月4日からスタートしていますが、前回と同様、「これ以上できませんね」と遅かれ早かれ言われるでしょう。
しかし、あがいても仕方がない。できることをやっていこう。その気持ちは変わりません。
▽豊島昭彦(とよしま・あきひこ) 1959年8月生まれ。82年日本債券信用銀行に入行。2012年ゆうちょ銀行に転職。日債銀は98年に経営破綻し、01年にあおぞら銀行に行名変更しているが、豊島氏はゆうちょ銀行転職までの間に、倒産、外資系ファンドによる買収を経験。18年日本公認会計士協会に再転職の直後、膵臓がんが発覚。作家としても活動しており、著書に「夢のまた夢 小説 豊国廟考」など。