1日6000歩で十分 正しく歩けば筋力維持に1万歩は必要ない
「100歳まで歩き続けるためには、正しい歩き方、正しい姿勢、正しい靴選びが必要だ」と言うのは、JCHO東京新宿メディカルセンターのリハビリテーション士長で、理学療法士の田中尚喜氏だ。
「姿勢や歩き方が悪いと、中高年から筋力はどんどん低下していきます。若い時にスポーツで鍛えたから、というのはもはや通用しません。筋力がある人はよく歩けるからますます歩くようになり、筋力が維持されますが、筋力がなくてすぐ疲れるからと歩かなくなると、ますます筋力は落ちていきます。100歳まで歩くためには、中高年のうちから姿勢と歩き方をしっかりしたものにすることが必要なんです」
田中氏によると、筋肉は、瞬発力のある「速筋」と、持久力のある「遅筋」の2つに大きく分けられる。中高年が張り切って激しい運動をして、つい痛めてしまうのは速筋のほうで、遅筋はゆっくりと収縮する筋肉なので筋肉痛を起こしにくく、疲れにくい。「座る、立つ、歩く」といった生活する上の基本動作で使うのは主に遅筋なので、中高年はこの遅筋を鍛えることを心がけるべきなのだという。