パーキンソン病 最新治療でうまく付き合い天寿を全うできる
■薬が効きづらくなっても2つの選択肢がある
ところが、それでも薬で症状が抑えられなくなる時がやってくる。検討されるのが、脳深部刺激療法(DBS)、またはレボドパ経腸注入療法(LCIG)だ。DBSは2000年、LCIGは16年から保険適用。冒頭の専門外来は、これらを中心に行う外来になる。
「DBSは脳の深部に電極を埋め込み、電流を持続的に流す治療法です。一方、LCIGは胃ろうを作り、腸にチューブを挿入。それを体の外のポンプとつなぎ、レボドパ製剤を腸に注入して、薬の効果を一日中持続させる。内服薬では対応できなくなったウエアリングオフやジスキネジアを抑えることができます」
パーキンソン病の進行で認知機能が低下するとDBSは行えない。LCIGは体外にポンプがあるので、日中ポンプを携帯する必要がある。これらの理由から、DBSを先に行う場合が多い。
「薬と同様、DBSも進行を止めるものではありません。DBSだけでは効かなくなるタイミングがあり、そうなるとレボドパなどの投与量を増やしていきます。場合によっては、LCIGを追加することもあります」