東大大学院教授が解説 スロトレで認知症予防・がん抑制

公開日: 更新日:

「寝たきりになると、太ももの前の筋肉は1日0・5%も減るのです」

 転んでケガするのが嫌で引きこもると、虚弱状態が悪化する悪循環に陥るが、筋肉の働きは、運動器としての働きだけではないという。

「筋肉は、じっとしていてもたえずエネルギーを消費し、熱をつくり出しています。体の中の“ストーブ”の役割が2つ目です。足腰の筋肉は、体の中では比較的大きな筋肉。その減少は、ストーブの熱量低下を意味します。年を重ねて、冷えを感じるのは、筋肉量が減っている証拠です」

■筋肉貯金のおかげで悪性リンパ腫を克服

 3つ目が、内分泌器官としての働きだ。筋肉をよく動かすと、ホルモンのような働きをする生理活性物質(マイオカイン)が分泌されることが分かってきたという。

「体を動かすと、筋肉からマイオカインの一つイリシンが分泌されます。イリシンは、認知症予防の点で注目されているのです」

 イリシンが血流にのって脳に運ばれると、脳の神経細胞の働きを活発化し、細胞の新生や再生、シナプスの形成を促す役割の一端を担っているという。筋トレは、認知症予防の可能性を秘めているのだ。アルツハイマー型認知症のリスク因子のうち、運動不足は1・8倍で、高血圧や喫煙の1・6倍、糖尿病の1・4倍より高い。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が