中川恵一
著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

北別府学さんが告白 成人T細胞白血病は九州・沖縄に偏在

公開日: 更新日:

 精密機械といわれた広島のエースを襲ったがん報道には驚きました。野球解説者の北別府学さん(62)は20日、自らのブログで成人T細胞白血病であることを告白。2年前の検査で発覚した時は、「しばらくは何も手が付かない状態」だったそうです。

 それでも仕事を続けながら、毎月の定期検査で経過観察。昨年11月の検診から白血球の数値が上昇し、21日から抗がん剤治療をスタートし、その後は骨髄移植に移る予定のようです。

 前宮城県知事の浅野史郎さん(71)も、2005年に献血をした時の血液検査で同じ病気が発覚。骨髄移植が成功し、今も元気に活躍されています。診断から経過観察していた浅野さんが治療に踏み切ったのは09年、60歳の時でした。北別府さんと2年違いなのは、この病気の特徴の一つを端的に示しています。

 この病気は、HTLV―1というウイルス感染が原因。白血球の中でがん化した成人T細胞白血病(ATL)細胞が無制限に増殖することで発症します。

 感染経路として大きいのが母子感染で、浅野さんの母もHTLV―1感染者だったそうです。ウイルスは母乳に含まれていると考えられていて、母親が感染者だと、20~30%の子供が感染するといわれます。子供への感染を阻止するには、検査でウイルスの有無を確かめ、授乳をやめれば、リスクはほとんどありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題