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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

HIVは治療すればうつらない「検出限界値未満」になればOK

公開日: 更新日:

 この状態をさらに最低6カ月以上持続できていれば、性行為でパートナーにHIVを感染させるリスクはゼロになります。この状態が「U=U」です。

 性交の相手が男性でも女性でも、膣性交、アナル性交、口腔性交でも、HIVに感染するリスクはありません。国際的には血液中のウイルス量が「200コピー/ミリリットル未満」を検出限界値未満と定義していますが、日本では「20コピー/ミリリットル未満」としている場合が多いようです。

「U=U」のエビデンスは、海外の数々の大規模研究で証明されています。3つの大規模研究の結果を合わせただけでも、合計約13万回のコンドームなしの挿入を伴う性交を行っても、一例もパートナーへHIVが感染した症例はなかったとされています。

 ただし、「U=U」は決して「コンドームなしでよい」という意味ではありません。性感染症は、梅毒、ヘルペス、クラミジアなど他にもたくさんあります。予防のためにはコンドームの使用が大切です。

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